介護とはその人の“人生”を支えていくこと
2021/03/05
介護とはその人の“人生”を支えていくこと
人体に関わるのが医療の仕事 “人生”を支えるのが介護の仕事
介護は医療に比べて誰にでもできる仕事だと思われています。でもそれは間違っています。さらに、医療に近づいていくことが「いい介護」だと考えている人もいますが、それも誤解です。
介護は、医療とは別の領域の仕事を引き受けています。それどころか、医療の限界を越えていく仕事なのです。
医療の仕事は「治す」です。病気という異常を治して命を救う大事な仕事です。でも、命は助かったけれど手足にマヒが残ってしまった・・・。介護の仕事はそこから始まります。それでも本人が生きていこうという気持ちになるかどうかは介護によって決まるんです。
つまり、発達した医療によって救われた命に意味を与える力を持っているのが介護なのです。
医療が相手にするのは「人体」です。だから解剖学が必要です。病気の人体が相手ですから、病理学も欠かせません。高い専門的知識と技術が必要です。
介護が相手にするのは人体ではありません。「人生」です。その人にとって何が幸せか、何がいきがいかに関わります。年を取ることや障がいをもつことも含めて、その人らしい生き方を、介護する側、介護される側が一緒に手作りしていくのがホントの介護なのです。
三好春樹著「イラスト図解 いちばんわかりやすい介護術」(永岡書店)から一部抜粋